◆ 劇団アドック創立十五年記念公演 芥川龍之介作「雛」 <イントロダクション>
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<イントロダクション>

 芥川龍之介は、「直木賞」と共に最も有名な文学賞である「芥川賞」(芥川龍之介賞)にその名を残していることは周知の通りです。 折しも今年は芥川賞創設80周年に当たる節目の年、お笑い芸人ピースの又吉直樹氏が「火花」で上半期の本賞を受賞したことでも注目を集めました。

 「雛」は1923年発表の小説です。芥川龍之介の作品は古典をモチーフとした短編小説が多いのですが、彼の生きた時代に程近い近代の庶民を描いたこの作品は、現代に生きる私達の感性で読んでも、日本人の心情を存分に味わえる作品に仕上がっています。芥川龍之介が没してから既に88年ですが、 良い作品は何時までも色褪せないものだと感じます。時代は移ろうと、人の心は然程変わらないものだということをこの舞台で感じて頂ければ幸いです。

 芥川龍之介の伝えたかったこと一つ一つを、私達劇団アドックは単語レベルで解釈し、それを演技で表現しています。「言霊」(ことだま)という目に見えない力に突き動かされ、舞台一杯に出演者、スタッフ一同が力を合わせ演じる様をどうかじっくりとご覧願います。

 今回私達は新しい試みを行います。一人でも多くのお客様に当劇団の公演に来て良かった、楽しかったと言って帰って頂けるよう、「雛愛でる茶会」と称した茶菓を召し上がれる場を設けました。出演者とも触れ合える良い機会ですので、是非この第二部もお楽しみ下さい。

制作担当  住吉 明弘